君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか、をみてきた

 

生の世界、死の世界のみならず、いくつか世界が描かれていて

どの世界も独特で掴みどころなく、意味を考えるときりがない

これは難しいと捉えることもできる

 

単純にストーリーの結末が気になるので飽きずに追いかけてしまう

だけど、重要なのはその先にあると感じた。

 

自分の体験と感想と融合させて初めて作品が完成される

詳細な描写からひも解くのとは別で、

作品後に残るふんわりとした残像の世界から何を感じるか、

うまく言い表せないけど、作品は「観る」だけでは完成しないと知る

 

観て、感じて、自分の体験と融合させたところに作品は存在して

人の心を通じて時代を超えて受け継がれていくのだろう

 

 

作中の謎めいた世界で、根底に流れるものが愛であることにより

突然の人間味とあたたかさを感じ異常に心つかまれる。

生きるのことは自分のためだけど、

死なぬよう努めるのは他人のためだと思う

 

 

愛は「するもの」ではなく存在するものではないか、と星野源が言っていたことが

とてもしっくりきている。

愛することについて、そこまで深く考えたこともなかったけど

愛しているという言葉はどこか遠く自分とはまだ無縁だと感じて

だけどきっと、観て、感じて、自分の体験と融合させることで作品が存在するように

愛も、くだらないなにかの間に存在しているものと思うと安心して、楽になった。

 

そして、この作品は愛の物語だと私は受け取った。

 

 

多様性が叫ばれ選択肢が異常に増える中、どう生きていくのか考えることは酷だと

どれを、何を選択するのか?

「己を学ぶものは死す」のメッセージにあるとおり、

自分を知ることは辛く難しすぎる

生きる選択をすることは、自己と向き合いながら生きていくことなのかな

ひっくるめて、君たちはどういきるのか?

大きな問いを投げかけられた、そんな作品だった

 

 

80歳になっても作品を世に残す、創造者への尊敬の意を込めて

また素敵な作品に生で触れられることが幸せだ